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箱根八里

箱根八里は明治34年、中学唱歌に掲載された唱歌です。
鳥居忱(とりいまこと)の作詞です。瀧廉太郎がこの詩に曲を付けました。
歌詞はなかなか難しく、漢詩や故事がたくさん盛り込まれています

歌詞は一番と二番とがありますが、一番は昔の箱根を表し、二番は今の箱根を表しているとされています。

歌詞一番にある「函谷関」(かんこくかん)は、中国河南省にあった重要な関所です。山脈が迫る峡谷となっています。
交通の要所であり、王朝の死命を決定するとまでも言われるほどでした。

そのため、幾度も戦いがありました。
このようなところを歌詞に盛り込んでいるのです。

歌詞二番にある「蜀の桟道」(しょくのさんどう)は、蜀というところにあった四川を守る要害で、山中の難所でした。そのところに桟道(さんどう)を作ってあるのですが、これは岩肌に鉄杭を打ち込み、橋をぶら下げるようにして作られた道を意味します。
それほど険しい場所なのです。

この両方とも、箱根の険しさを漢の古い文書をもとに難所であることを強調しているのです。

瀧廉太郎の付けた曲は変化に富んだ行進曲のようであり、勇ましさも感じられます。