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結核

結核は明治時代まで肺に発症した結核、肺結核を労咳と呼ばれた病気です。
結核菌によって主に肺に引き起こされますが、全身の色々の部位にも感染します。

感染は空気感染と呼ばれますが、患者のせきなどによる飛沫が飛ぶことによります。

菌に感染しているということと、その病気を発症していることとは違います。
菌は入ってきていても病気を引き起こしていないことは多くあります。

全世界で結核菌は多くの人に感染しています。
全人口の1/3が感染しているともいわれます。

アフリカでは80%、アメリカでは10%程度の人が感染しているというデーターも示されています。
アフリカで多いのは衛生状態が悪いこと、アメリカでもある程度あるのは移民が持ち込んでいるものと考えられています。

また、感染だけでなく、実際に発症し、さらに死亡する人もあります。
2013年には150万人が死亡したとされています。
そのほとんどは低所得の階層の人々です。

結核菌は空気伝染を主とするため、肺に感染することが多いのですが、人の身体のいたるところに感染します。
中枢神経や骨など全身に及びます。

感染しても発症することは比較的少なく、約1/10と考えられています。
しかし、発症した人の約半数は死亡しています。

結核菌が強い病気である理由は、空気感染することに加え、免疫細胞マクロファージに対してもその細胞内で増殖する能力を持つためです。
多くの人はマクロファージだけでなく、T細胞によってこれを防御していますが、免疫能力の衰えている人はこの作用が無く、発症してしまうのです。

免疫機能が低下するのは加齢や糖尿病が原因となることもありますし、ステロイドなどの薬物が原因となることもあります。

結核はストレプトマイシンなどの抗菌剤で治療可能とされますが、結核菌は多くの場合、このような抗菌剤の種類に対して耐性を持つものが多く、ある種の薬を使っても生き残るものがあります。
この生き残った耐性菌はさらに増殖し、別の薬を使った場合にある程度は効果があってもまた再び生き残るものが出てくるという結果になりやすいのです。
このため通常は4種類程度の抗菌剤を同時に投与し増殖しないうちに全部を死滅させる手段を取ります。

しかし最近はいろいろの抗菌剤が使用されているため、どの抗菌剤にも耐性を持つ多剤耐性結核菌が現れています。
このような菌にかかった場合は治療に苦労することがあります。

咳をしたときに菌を排出する患者と、咳をしても菌を排出しない患者とがいます。

前者に接する場合には、患者にマスクをつけ、接する人にもマスクをつけ、窓を開けるなどの対策が必要ですが、後者の場合にはこれらの必要性はありません。






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