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盃はお酒を飲むための器として用いられることがほとんどです。
形はコップのようなものから皿のようなものまであります。材質は、木、陶器、磁器、金、銀、錫など様々です。

盃はお酒を飲むために使われますが、主に日本酒を飲むために使われます。
深いものも浅いものもありますが、下部には多くの場合高台という短い円筒が付いていて、置いた時安定するようになっています。

神道においては多くは皿状の磁器が用いられ、カワラケなどと呼ばれます。
古くは釉薬の無い素焼きが使われました。
神前に供える場合は、直接台の上に置かず、三方などに乗せて台の上に置かれます。

結婚式などで使われる三段重ねの朱塗りの木製の盃もあります。
重ねの段数は色々ありますが、このように複数の杯を重ねる場合は組盃、あるいは重ね盃と呼ばれます。

また、お酒を飲むためだけでなく、お祝いのための贈り物、例えば優勝を祝うための賞品などに使われたり、金杯などとして長寿記念の贈り物にされたりします。

盃は杯、酒杯とも書きます。

盃事というのは、色々な意味合いで縁を確認するために行われる行為です。
結婚式の三々九度は夫婦の縁を確認するためですし、親戚たちが互いに盃を回しあうのは夫婦互いの親戚たちがこれから縁戚になる事を承認する証となります。

また、上位者が口にした盃を下位のものに渡して飲ませるのは上下関係がここでできたことを証明したり、再確認したりする意味になります。
下位の者が飲み干し、上位者に再び返す場合もありますし、下位者は飲み干した盃を持って帰る作法も存在します。

暴力団などで、盃をもらうと言うのは、部下になったことを意味しますし、盃を返すと言うのは離脱したことを示します。

盃はお酒を飲むために用いられますが、水を飲む場合があります。
水を飲む場合というのは、もう二度と会えないと思われる場合に、最後のお別れという意味で、水盃がくみかわされます。
日本の特攻隊の出陣に際してはこの水盃が行われています。