荒城の月TOP

気温が低い時、0℃以下にならなくても一面が白くなることがあります。
放射冷却により地表面近くの温度が下がり、空気中の水分が凍って霜が降ることがあります。

霜になる事を、霜が降りる、霜が降る、などと表現されることがあります。
空から降ってくるわけではありませんが、このように表現されることがほとんどです。

気温というのは地表面から150cmの位置における空気の温度を言います。
風もなく、晴れている夜には放射冷却が進み、地表面近くの空気の温度の方が気温よりも低くなりやすいのです。 気温が3℃から5℃程度まで下がり、放射冷却が進みますと、地表面近くの空気の温度は0℃以下となり、空気中の水分が氷の結晶として物体の表面に付着し、一面が白くなります。

霜の降りやすい地域としては、内陸部、山間部、盆地、などの地形とともに、北海道、東北地方、北陸地方など北寄りの地方があげられます。
冷え込みの厳しい時には中部地方、近畿地方、更には中国地方でも霜の降りることがあります。

霜は地面や植物の葉、自動車、窓ガラスなど所かまわず降ります。
霜が降りますと、農作物の表面温度が下がり、大きな被害を生じることがあります。
このため霜を防ぐために農家の方は大変な努力を余儀なくされます。
お茶畑でよく見られるのは、高い位置から大きな扇風機で比較的温度の高い空気を地表に送る方法です。
雨が降っている時は霜が降りることはありません。
この現象を利用して、畑中に一晩中散水する方法もあります。

屋外放置の自動車の窓に霜が降りますと、朝、出発しようとしても前が見えず、困ります。
銀マットなどを被せて防止することはどこでも見られる光景です。

農作物も作物の上にコモなどを掛けることによって相当程度軽減することが出来ます。
経験上のことですが、空の見えない部分には霜は降りないように思われます。
恐らく放射冷却が妨げられるからではないかと思います。