中学唱歌

明治以降、小学校〜中学校の音楽の教科書などに掲載された音楽の一つ
   

中学唱歌

中学唱歌というのは、明治以降、文部省が編纂した、小学校〜中学校の音楽の教科書などに掲載された音楽の一つです。

1901年に発表されている『中学唱歌』は東京音楽学校が中学生用に編集したものの第二弾です。
第一弾は『中等唱歌集』でした。

この中学唱歌で特に注目すべきことは、明治の大作曲家,滝廉太郎の作品が3点も選ばれていることです。
その中でも『荒城の月』と『箱根八里』は今でも詠われている名曲です。
この二つは曲の趣が全く異なります。
瀧廉太郎は幅広い感受性を持っていたのではないでしょうか。

明治三十四年に、東京音楽学校長、渡辺竜聖は、
 本編は中学校用に充つる目的を以て編纂せる唱歌集とす・・・」
という書き出しで、38曲を記載しています。
第三十番に「 箱根八里」、第三十一番に「荒城月」を載せています。

箱根八里は鳥井忱(まこと)作詞 滝廉太郎作曲ですが、
  歌詞一番は「昔の箱根」
  歌詞二番は「今の箱根」
を詠っているとされています。

文部省唱歌

文部省唱歌とは、明治から昭和にかけて文部省が編纂した唱歌で、音楽の教科書に掲載された楽曲の総称をいいます。

当時、文部省は作詞者・作曲者に高額な報酬を払い、名は一切出さずまた作者本人も口外しないという契約を交わしていました。
これは「国」が作った歌であるということを強調したかったためだとも言われています。
このため個人の著作物とするのは無理があり、時代の変化にともない、歌詞が変更されることもありました。
荒城の月も変曲されています。

上記に、「箱根八里は鳥井忱(まこと)作詞 滝廉太郎作曲」と記しましたが、これは後に学識者の研究によって明らかにされたからです。

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