短音階

短音階は、悲しさ、寂しさといった感情を表現するのに適しています
   

短音階

短音階は、悲しさ、寂しさといった感情を表現するのに適しています。簡単に言えば、ラシドレミファソラという感じです。基本和音はラドミになります。(長調はドレミファソラシドで、基本和音はドミソです)

短音階はマイナースケールと言い、自然的短音階と、和声的短音階、旋律的短音階があります。
もっとも基本的な短音階は自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)です。

荒城の月は瀧廉太郎が作曲した原曲ではシャープが1か所だけ付けてありましたが、山田耕筰がこのシャープを取り去って自然的短音階に編曲しています。
現在歌われている荒城の月は、この山田耕筰の編曲によるものです。

春高楼の花の宴  はるこうろうのはなのえん ですが、最初、この はなのえん の「え」にシャープが付いていたのです。

音符にしてみますと、現在は
 ミミラシドシラーファファミレミー
ですが、最初の原曲は
 ミミラシドシラーファファミ♯レミー
だったわけです。
口ずさんでみて頂きますと、大変物悲しい感じになります。
これはジプシーの使っていた音律に近いとされています。

山田耕筰はこれを日本人らしくするためにシャーをとり、自然的短音階で表現できるようにしたわけです。

和声的短音階は、ソにシャープをつけます。
 ラシドレミファ♯ソラ

旋律的短音階は更にファにもシャープを付けますが、旋律が上昇していく時と下降していく時では異なるようになります。
上昇時にはシャープを付けますが、下降するとは無しにするのです。
 ラシドレミ♯ファ♯ソラ  ラソファミレドシラ
となります。

しかしこれらは一般的にという意味であり、作曲者や編曲者によって自由にどのようにしても差支えがあるわけではありません。
瀧廉太郎の荒城の月の原曲はまさにその自由さを使ったものであり、自然的、和声的、旋律的いずれの音階でもありません。
瀧廉太郎ならではの作曲だったのではないでしょうか。
原曲をそのまま演奏してみますと、本当にその良さが分かります。
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