変曲、変奏、変奏曲、編曲、編奏曲

変曲、変奏、変奏曲、編曲、編奏曲 各々の違いを説明します
   

変曲、変奏、変奏曲、編曲、編奏曲

変曲、変奏、変奏曲、編曲、編奏曲 似たような言葉ですが、各々の違いを説明します。

辞書(大辞泉)に無い言葉

変曲、変奏、変奏曲、編曲、編奏曲 似たような言葉ですが、実は大辞泉には載っていない言葉があります。
それは
  変曲
  編奏曲
です。
wolipediaにも見当たりません。
おそらく一般には使われない言葉だと思われます。

残る三つについては辞書にもあります。
その説明趣旨を解説しておきます。

変奏

変奏とは主題となる曲の旋律などを少し変えて、違うメロディーとする作業のことです。
このため、作曲者の意図したところが失われる可能性があります。

変奏曲

変奏という作業によって作り上げられた曲のことです。
少なくとも前の曲の面影は残っておりますが、少し違った感じの曲になっているはずです。
作曲者の意図は完全には表現されない結果になっているでしょう。
このため、題名は「○○変奏曲」などとし、原曲とは異なる曲であることを示すのが通例です。

編曲

編曲とは元の曲の旋律など主要な部分には変更を加えず、使用する楽器の種類や内容を変えることによって大規模なオーケストラの演奏を可能にしたり、逆に短く簡単にして演奏しやすくしたりすることです。
作曲者の表したかった意図は十分に存在しているのが普通です。
題名は通常「○○」のままで、変更されません。

私のサイトで「変曲」とした理由

変曲という言葉は通常使われる言葉ではないのに、私のこのサイトの中では「変曲」が良く出てきます。
例えば、荒城の月の変曲、なとどとしています。

この瀧廉太郎作曲の荒城の月から山田耕筰が一か所だけシャープを取っています。
これは、瀧廉太郎の作曲意図を変えて別の曲にするわけですから、「変奏曲」にしているというのが正しい表し方なのでしょうが、この一か所の変更だけをもって、山田耕筰が「荒城の月変奏曲」を作った、というのは大げさすぎるのではないかと思い、あえて、「荒城の月」を「変曲」したと述べているわけです。
「曲を少しだけ変えた」という意味です。
ただ、題名について、最初は「荒城月」であったのが「荒城の月」となっていますから、山田耕筰も変奏曲であることを配慮したのかもしれません。

しかし我々一般の人はほとんどこのことを知りません。
最初から「荒城の月」であり、「荒城の月」は瀧廉太郎の作った曲だと思われているのがほとんどでしょう。
シャープが付いていたなどと知っている方は少ないと思います。
作詞者まで瀧廉太郎だろうとさえ思われているかもしれません。

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