おごれる人

「おごる人」と違うのでしょうか。調べてみました
   

おごれる人

平家物語の一節「おごれる人も久しからず」の「おごれる人」ですが、「おごる人」と違うのでしょうか。調べてみました。

「おごれる人」と言うのは意味の見当はつくのですが、「おごる人」の間違いではないかと思い調べてみました。

結論は「おごれる人」で間違いはありませんでした。

「おごる」は「驕る」と言う字を当てますが、これは権勢や権力を思いのまま使う、勝手に使う、と言うような意味です。
この解釈には間違いはありません。

「おごる」が「おごれ」になっていますが。これは何かをおごってくださいとかご馳走しろなどの命令形ではありません。
過去から現在まで「おごっている状態が続いている」現在進行形を指します。
これに「る」が付いているのは、その後に続く「人」を説明的に修飾するためです。接続のための語です。

何気なく読み飛ばしている「おごれる人も」なのですが、文法的には結構難しく説明されています。

結論としては「おごれる人」というのは、以前からもそうであったが今も権勢を思うがままに振り回している人、と言う意味になります。
直感的に読み飛ばしていたことは間違いではありません。

荒城の月の歌詞二番で「ううる剣」が出てきますが、これは多くの兵士が集まって剣を高々と突き上げ、ときの声を上げている状態を示していると私は解釈するのですが、まさにこのことは城主の権力、勢力を誇示しているわけです。

三番になって荒れ果てていることを言っていますが、この構成が「おごれる人も久しからず」を意味しているものと私とは解釈します。

TOP 前頁