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荒城の月歌詞  「栄枯」

繁栄しても衰退する人の世のはかなさの表現
   

栄枯

大辞林 第三版の解説によれば
草木が生い茂ったり枯れたりする意から
人・家・国家などの勢いが盛んになったり衰えたりすること。となっています。

もう少し丁寧に重ねて言う言葉に「栄枯盛衰」があります。
「栄枯」は草木が茂ったり枯れたりする、「盛衰」は盛んなことと衰えることから、栄えたり衰えたりすること。
これは繁栄しても衰退する人の世のはかなさを表現しています。

荒城の月四番の歌詞では「栄枯は移る世の姿」となっていますから、この世の中はまさに「栄枯盛衰」であり、昔の繁栄はいつまでも続くものではないと言っているわけです。

私事で申し訳ありませんが、実は私の実家もその典型のようなものです。
昔は庄屋であり、土地を小作に貸して年貢で生活する優雅な暮らしをしていたのですが、終戦後、小作に貸していた土地はすべて取り上げられ、わずかに残った土地で泥まみれになって農業で生活せざるを得ない状態になってしまったのです。
私の実家は「栄枯」を、身をもって体験しているのです。

このように、荒城の月に言う「栄枯」は、私もごく一般的に言われるこのような意味に解釈しています。

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