移調と転調

移調は楽曲の主音を移行すること。転調は曲の途中で調を変えること。
   

移調と転調

移調は音楽用語で楽曲の主音を移行することです。人の声は個々で音域が違うため、調性を変えることもあります。転調は曲の途中で調を変えることです。

移調するというのは、調の主音を移行して演奏することです。例えばハ長調の曲を長2度上げればニ長調の曲になります。
このように○○調の曲を、△△調の曲に直すことを移調と言います。

人が歌う歌曲の場合、人それぞれで声の高さというか音域が異なりますので、歌い手の要望によってもうちょっと上げてくださいなどと要望される場合があります。
楽譜にはないのに全部の音を2度なら2度上げて演奏しなければならないということも生じるわけです。
プロの演奏家ともなると、それに応じられる能力が必要になります。

楽器によって音程が違うことがあります。
楽譜にドの音が記されている場合、ピアノでドの音を出せばドの音が出ますが、B♭管と呼ばれるトランペットで「ド」の音を出しますと、実際に出てくる音は「シ♭」になります。
このトランペット独自で演奏すれば譜面通りの曲が演奏され、違和感はありませんが、ピアノと合わせて演奏すると違った音になってしまいとても音楽にはなりません。
ピアノの方で全部1度下げて演奏すれば音は合ってきます。
このような場合にはピアノの楽譜を移調することによってうまく合奏できるわけです。

しかし三味線、箏、胡弓、など弦楽器の場合、弦の張り具合を調整して調弦することにより、移調しなくても同じ楽譜で他の楽器と合わせられることもあります。
尺八ではそのようには参りませんので、全体が長くて低い音のする尺八や、短くて高い音のする尺八をいろいろ取りそろえ、必要に応じて取り換えて演奏します。
そうすれば、尺八でも同じ楽譜で移調しなくても他の楽器と合わせることが出来ますし、曲の途中で取り換えれば転調できるわけです。

荒城の月原曲はロ短調です。
楽譜の初めの所にシャープが2個書いてあります。ドの所とファの所です。
しかしこのままでは普通のハーモニカでは吹きにくいです。
普通のハーモニカはC調といい、シャープもフラットも出せないからです。
このため、荒城の月をイ短調に移調しますととても吹きやすくなります。
 ミミラシドシラー
という感じです。

どの調にも移調は可能です。
私はギターで演奏する時はニ短調を使っています。
ギターの音域にとても良く合うからです。
転調は行っていません。最初から最後まで同じニ短調で通しています。

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